覆面レスラーを知る

もはやプロレスの代表的なコスチューム

秘匿・匿名・正体不明、どの言葉も自分の素性を隠したいと考えている人にとっては都合のいい言葉に違いない。最近では個人情報保護法を利用しての、プライバシーに関わるという点で自身の情報を漏らしたくないと考えている人は大勢いる。かくいう筆者も、見ず知らずの人に自身の素性を明かすような事はしない、というよりそんなことをしたところでろくなことにならないことは目に見えているからだ。筆者の父は個人情報というものがピックアップされる以前からかなりシビアな人で、免許証などを提示することを頑として拒否する姿勢を見せるなどしていた、その脇で行動を諌めるときは気恥ずかしいのなんのと思ったものである。確かに何でもかんでも身分証明を提出するというのはアレかもしれないが、やはり確認をするという意味で必要なときが出てくる。情報を見なければ取引を行うことは出来ないと考えている業者も数多く存在しているので、そういう意味では個人情報保護法は企業にとっては大きな枷を背負わされたことになったのかもしれない。逆にそれが情報として高く取引されることになることへも繋がるのだが、やはり隠しておけるのであれば隠したいのが人の心理だ。

そういう意味で考えると、プロレスラーとして活動している人の中に存在している『覆面レスラー』というのも理解することは出来る。覆面レスラーといえば誰を連想するからは人それぞれだろうが、筆者的には虎のマスクを被ったレスラーが一番代名詞として考えている。現在でも日本では覆面レスラーとして活動している選手は大勢いる、先に紹介した琉球ドラゴンプロレスリングでは現時点で所属している選手の8割が覆面レスラーとなっている。それはそれで一見すると怪しく移るのだがパフォーマンスの一種、そのように認識するしかないだろう。ではここからはそんな覆面レスラーについて話をしていこう。

なぜ覆面をつける必要があるのか

そもそもレスラーとして活動するのにどうして覆面をつける必要があるのかだが、その理由としてはインパクトをつけることというのが理由の1つとして挙げられる。要見た目が左右しているということだ、男臭い顔をしていれば逞しく、そして威圧できるような雰囲気をかもし出していると取れるが、これで女性のような中性顔でプロレスに参戦していると明らかに場違いなのは言うまでもない。もちろん両者共に肉体的に筋肉が隆起していることは前提にしてもだ、選手として魅力を出しているのはゴツい印象を持たせることが出来るほうだ。またこういう言い方は失礼かもしれないが、印象の薄い人というのはどうしてもいる、味を持たせるためにも覆面をつけて衝撃度を高めることも活躍するには必要なことであると、覆面レスラーとしての基本となっている。

またこういう側面もある、マスクを被ることによって人格をスイッチするというものだ。見た目は物凄く不良、もしくはヤクザなどを連想できるような様相である人が実は非暴力主義者ということもある。外見と中身にギャップがあり、レスラーとして馳せるためにはそうした地の自分を抑えることも時として必要だという場合もある、そうした際、マスクを装着することによって普段の自分とは違う自分を作り出す、擬似的な二重人格になれるというのだ。これはあながち間違っていないだろう、誰でも裏表を持って日々の生活を過ごしているのと同じことであり、覆面レスラーにとってその表の顔を人工的に形成することによって選手として馳せる、というのが手段となっている。こうした点で気をつけなければいけないこととしては、素の自分と選手としての自分が乖離しないように自覚し続けるということだろう。そのバランスを保たなければならないのも選手としての勤めでもある。わかりやすい例としては芸能人、と見れば一番理解が追いつくと思うのでそう考えてくれればいい。

正体を秘匿する理由として

だがどうしてそこまでして自身の素顔を隠すことに必死になるのかだが、それもやはり個人の問題というところだ。先に紹介したように人格的にスポーツ格闘してのプロレスには不向きな性格をしていた場合、どうしても試合を優勢に持っていくことが出来ないためにあえて覆面を装着していることもある。だが中には普段は別の職業につきながらプロレスラーとして活動している自分を隠したい、そう考えている人もいるのだ。昼に別の職業で働いている場合に、職場に迷惑を掛けないためにもこの覆面レスラーという肩書きは色々と便利になってくる。中には特に理由はなく覆面レスラーとして活動しているという人もいるので、人それぞれというのもある。ただアメリカレスラーに見られた例では、そもそもライセンスを所持していないがために覆面をつけて活動するしかないという人もいたようで、その実情は様々となっている。

覆面レスラーを語る偽者もいる

素顔が割れていないというのはいいことでもある、日常生活で自分の事をレスラーだとは思っていない人が多い中での生活はある意味普段どおり過ごせるのでいいことでもある。ただ割れていないがためにちょっとした問題が発生してトラブルが巻き起こることもある、それは偽者が出るということだ。実際に日本でもメキシコのある有名プロレスラーを招致したところ、後から実は全くの偽者だったという事が判明する事件が発生する。この時団体としても本物が来るということを明確に表現していなかったため責はあるが、騙されたと捉えられても仕方のない事件でもある。

人としての切実な問題

また覆面レスラーとして活動している人の中には、単純に切実な問題から覆面を装着しなければならないパターンもある。そこまでするかと思ったのが、あるレスラーはカツラを装着していたが、それが試合中に取れるのが嫌だったために覆面をつけたというエピソードもある。そこを逆手に面白くすることも出来るのかもしれないが、よほどカツラをつけていることを知られたくなかったのだろうということにしておく。覆面をつけているとこうした外見的劣等を隠すことが出来るというのは、色々な意味で便利になってくるというわけだ。